『怪物たちの世代-その時、甲子園が揺れた』矢崎良一(竹書房)

いい意味裏切られたね。予想していた内容とちょっと違った。「怪物」本人の話中心というよりは、対戦相手の話も交え、「怪物」を見た側の視点からとなっている。一部の章や所々に「怪物」本人の弁もあるが、共通するのは意外にも他人事のように語っていること。本人には「怪物」の意識はさらさらないもんなんだな。
そんな本人の意識とは別に、一生「怪物」のイメージが付いて回るのは当然として、その「怪物」と対戦して勝利を収めた者にもまた「怪物」に勝った者としてのイメージが付いて回る。それほど見た人の心に深く刻み込まれ、そして時が経つにつれてそのイメージはより大きくなって蘇ってくるのが「怪物」と言われる所以なんだろうな。
私的評点:4★★★★☆(あぁー、時代を遡って、江川の作新時代のピッチングを見てみたい。)